普通の人は働きながら資産を形成して運用する。この意味を十分に理解したほうがよい。
運用する資産の元本の大半は、働くことで得ることになる。「ある日突然5,000万円を手に入れた」なんてことを経験する人は少数派だろうし、自分自身がそうなる可能性は限りなくゼロに近いはずだ。運用する資産の元本は、時間をかけて少しずつ増やしていくことになる。
2022年の国民生活基礎調査によれば、各世帯の所得の中央値は423万円で、全世帯の6割強において所得が545万7千円以下である。資産運用の原資となる所得に限りがあるので、あまり派手な失敗をし続けることは避けたい。
「働きながら」資産運用する以上、資産運用に割くことができる時間は限られている。あまり手間をかけずに運用できる手法でないと長続きしないし、時に本業に影響が出てしまうかもしれない。
総じて、普通の人の資産運用では「手間をかけず、『勝つ』のではなく『負けを最小化する』運用を続けて、時間をかけて少しずつ運用資産を増やしていく」ことが望ましい、ということになる。
具体的には、例えば次のような運用スタイルが考えられるだろう:
- 小額から開始(スモールスタート)して、毎月の収入から一定金額を積み立てながら、運用していく。
- 「積み立て」スタイルでの運用が容易なペーパーアセット(金融資産)を用いる。
- 「負けを最小化する」運用を行うために:
- なるべく手間をかけずに資産運用するために:
追記:この運用スタイルは、あくまでも一例にすぎない。他により良い方法があるかもしれない。また時代によって変化することもあるだろう。